備前焼作家 上田玄明の紹介
備前焼 玄明
玄明の略歴
- 1950年 愛媛県 内子町生まれ
- 1968年 東海銀行上六支店(現、三菱UFJ銀行)に入行
- 1970年 デザイン専門学校にてインテリアを学ぶ
- 1971年 様々な職業につく(1984年 (有)玄明を設立)
- 1980年 砥部焼を学ぶ
- 1987年 備前焼を学び始める
- 1990年 本業を他社に移譲し陶芸家として道を決意 登り窯を借りて初窯
- 1991年 山陽町(赤磐市)に穴窯を築窯し独立
- 1998年 賀陽町(吉備中央町)に登窯を築窯し移転
- 2000年 田部美術館「茶の湯の造形展」初出品初入選
- 2006年 新たな小回りの利く薪窯を築窯
- 2015年 新たな発想の大きな穴窯を築窯
理念
花器から普段使いの食器など、思いつくまま色んな物を造っています。
伝統的な備前地方の田土を使うだけでなく
山土を混ぜたり色んな粘土も使い
山を整理すると出てくる雑木なども使い完全に薪だけで焼き上げています。
そして、哲学的思考に興味があり作陶の合間に
窯のある5000坪の山を「フラクタルの森」(陰陽学)として整備して
思考の見える化に挑戦しています。
フラクタルとは、部分は全体と相似形をなすという意味を持っている数学用語
PCも二進法で複雑な仕事を高速でこなしているように
現実の世界も陰と陽の二つの要素で成り立っているという考え方
その世界を見るために、人間の体の中にもその陰陽が組み込まれている
右脳的なモノ(陰)と左脳的なモノ(陽)
この2つがクロスしながら全ては存在している
この人間の中に組み込まれた十字架の中に大いなる神秘がある
あたかも「神は、自らに似せて人を創られた」が如くに
備前焼は、ただ薪窯で土を焼き上げるだけの原始的なもの
薪の灰が舞い上がり作品と反応して釉薬のようになっている
土で造られた器も、私たち人間も、原材料は同じ地球という大地であり
窯の中で起こっていることがこの時代の諸相と相似形をなしている
どんな器(人)もどうしても置かれた環境に左右されます
原則、その環境の人(器)でしかないのです
しかし、その中には、目には見えないが
色んなエネルギーが込められています
大自然の時間と空間、色んな主体から込められた願いが集積している
高温でその姿形を変えながらその器に込められた願いが浮かび上がってくる
私たちには、その願いを浮かび上がらせながら
それらが良きことにつながっていくように努力する義務があるのでしょう。
詩(陶芸)
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