陶玄郷

フラクタルの森で薪だけを使い備前焼を焼きながら迷走、瞑想している玄明のホームページ

FrontPage/2021-11-09

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銀行と政府

万年筆マネーという言葉がある

これは、MMT理論の元になっている事のようだ


事実として、
銀行は常に保有している資産以上の貸出を行っている
例えば銀行が50憶の現金しか保有していなかったとしても、通帳に書きこむ事で、総額100兆円の貸出しが可能なのだという

日銀が発行している紙幣は100兆円程度なのにも関わらず、
民間銀行は総額1600兆円もの貯金がある事からみてもこれは明らかな事

結局、お金とは何かというと、信用を背景にした道具でしかないのだろう

銀行がお金を貸し出すにしても
一旦、銀行預金として数字で計上される

銀行間で数字が移動することが多く、実際に町での物やサービスの流通のために出るお金は少ないから起きている現象なのだろう

信用の上に成り立っていているおかげで
実際に集められた預金や、自己資金として持っている以上の貸し出しが出来て
利息という収入を得ることが出来る

しかし、取り付け騒ぎなどが起きて預金者がお金を一気に引き上げるような事態が起きると返すべきお金が不足して大騒ぎになる

このお金という目に見える、数字としての価値と
もう一方には、目には見えない信用という価値が有る

この陰陽の価値が有るのだ

この陰陽の価値は、すべてに共通するようで
まさにフラクタルでもある

画像の説明

MMT論者の人たちは、この陰陽の両面を観ないせいなのか
自国通貨建てでの国債発行で財政破綻することは無いとして
大胆な財政出動を求める声を上げる

銀行業務でも、預金も自己資金も無い状態で仕事を始めることは不可能であり、銀行という信用が有ることで預金も集めることが出来、預金や自己資金以上の貸付業務を行うことが出来る

サラ金などの消費者金融などでは、銀行間の決済ができない為に
自己資金の枠内でしか貸し付けは出来ない
その為に銀行並みの収益を上げようとすれば、貸出金利を上げざるを得なくなる

お金の価値と信用とは、切ることが出来ないのに
MMT理論では、インフレ率を目安にして政府は財政出動するべきだという
この理論を背景にして、今回の選挙でも
各党バラマキ合戦である

緊急事態であるのは間違いなく、財政出動は当然のことながら
信用失墜につながるような
国民を単に甘やかせるような使い方をするならば
その価値は消えていく

そもそも、銀行が貸し出すときに審査を行うが
その審査がいい加減なものであるなら貸し倒れが発生するだろう

政府が行う財政出動は、銀行が行う貸出業務に似ている
持っている資産以上のものをその信用を背景にして貸し出すわけだが
その貸出先が返済してくれなければ、やがて破綻する可能性がある

ただ、この時、陰陽で見られない人は、税金で返済してもらおうとして
増税を考えるだろうが
これは、銀行での貸しはがしのようなものだ

正しく審査して正しい貸出先であるなら、そんなことをされたら事業が成り立たなくなる

銀行に信用が有れば、自己資本比率に関わらず十数倍の貸し出しが出来て収益を上げられるように
政府に信用があるならば、莫大な財政出動が可能だろう

陰陽の陰の部分をもっと見ていく必要があるのに
片目の政治家、官僚、学者たちは、その「信用」というものに関心が薄いようだ

バラマクにしても財政出動をするにしても
この「信用」審査が丁寧に行われなければ、その政府(銀行)は破綻する

借りる側(国民)も、借りて何かに使うにしても
その価値を生かせるかどうかを考えるべきだろう

ただ、消費に使うだけでも経済を活性化させるとする考えも有るだろうが
需要と供給という考え方からすれば、供給サイドの考えが重要だろう
国内の消費が増えたとしても、その供給先が外国ならば、そのお金は海外に流れ出すばかりになる

国内での価値の創造が有ってこそ、経済は循環し成長して社会を維持していく

政府は、税金という回収手段を持っている以上
一般の銀行のような回収業務は必要ない

国民が経済成長すれば、自然にその価値の増えた分の恩恵を受ける
その価値(お金)を上手に投資に回し運用することが出来たなら
その価値は膨らみ続け、その税収すら必要でなくなるだろう
(松下幸之助さんの無税国家論と一緒だと思う)

国内産業の経済を成長させなければ、その価値は回収できない
回収できないのに貸出ばかりを増やしていては、その銀行は破綻する

貸し出している先が、成長してくれることで金利の回収も自然に出来て
銀行としての信用も担保されるのに
審査を適当にしていては、限界は必ず来る

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